北海道から四国の主に亜高山帯から高山帯の湿り気のある岩場や草地に生える。アルカリ性を厭わず、しばしば石灰岩や蛇紋岩地帯にも生育する。
花は一見スミレに似ており距もあるが、花弁が合着しており、スミレとの類縁は遠い。根元に数枚の葉をひろげてロゼットをつくる。葉は長楕円形で長さ3 – 5cmで葉柄はない。葉の表面は天辺に球状の粘液を付けた細かい腺毛で覆われ、粘りつけられて動けなくなった虫を消化吸収する。
花期は6 – 8月。花茎は高さ5 – 15cm立ち上がるが次第に曲がって先端は下を向き、その先に横向きの花をつける。花は唇花型で、紫色、後方に細長い距を出す。花色は淡紫色から濃紫色までと差異が大きく、白花変種(シロバナムシトリスミレ)もある。