キャメロンの入り口の町タパ(Tapah)ではホテルチムランに宿泊した。このホテルは同行の友人が昔から常宿にしていて、我々が到着するとオーナー親子が暖かく迎えてくれた。部屋にはブラウン管テレビ（使用不可）や天井扇風機があり、昔懐かしい香りがそこここに漂っている。肝心のクーラーも設置されていたが、これはすぐに調子が悪くなってしまった。あえて親しみと愛情を込めていうと、このホテルは虫林が好む「ボロ宿」といって良いだろう。ボロ宿には近代的ホテルにはない旅情があって、何とも気持ちが良い。ベッドに横たわり、天井で回る大きな扇風機を見ながら思索にふけることができる貴重なホテルなのです。